もう一花咲かせたい心境

子育てをしていた時代、仲間と一緒に子育てサークルを結成した。初めての子育てに夢中になっていたあの頃。大変だったけれど、楽しいよと自らにも言い聞かせ、毎日が過ぎていった。いつしか本当に楽しくて仕方がないと思うようになっていた。小さな娘と二人で引きこもりがちだったのに、仲間と絵本に巡り合い、絵本の原画展の手伝いをしたり、講座を企画したり、自分の好きなことを追い求めた。娘も一緒に子育ての黄金時代を過ごしたのだと思っている。
そのサークルも月日と共にメンバーが入れ替わり、形を変えて細々と活動をしてきた。初期のメンバーとは子育てが終わっても変わらない付き合いを続けている。それは密着した関係ではなく、つかず離れずの程よい距離感を保っているからなのかもしれない。
そんなとき、昔の仲間の一人がカフェで働いていることを知った。何度もその前を通っていたのに気づかなかった。変わっていないだろうか。あの頃はそんなに仲が良かったわけでもないけれど、なぜか気になって、ふと訪ねてみた。
中が見えるガラス張りの店内。覗いてみたら、彼女の方が気づいてくれた。懐かしいねと言い合い、どうしてた?元気だった?とお互いの近況を軽く告げる。
「いろいろあってね」
その一言でなんとなくわかった。私もいろいろあっての今なのだ。子どもたちは巣立っていき、親のこと、自分自身の健康のこと、家や仕事のことなど、様々な苦労を乗り越えてきた。まだ活動を続けていると話すと、またやりたいなと明るい声が返ってきた。
毎日が目まぐるしく過ぎていたころと比べれば、今は少しゆっくりめだけれど、あの頃の情熱は忘れてはいないようだ。再会したのも何か不思議な力が働いたのかもしれない。
ふと、かつての人気バンドが、時を経て再結成するときの心境だと思った。もう一花咲かせてみようか。

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